小児矯正で使用される急速拡大装置とは?メリットや注意点も
こんにちは。茨城県取手市にある歯医者「One’s歯科クリニック」です。
小児矯正では、成長期の子どものあごの発育を利用して、歯並びや噛み合わせの改善を目指します。
歯列の乱れや噛み合わせの異常は、見た目だけではなく、発音や呼吸、咀嚼機能などにも影響を及ぼす可能性があります。そのため、早期の対応が重要であり、急速拡大装置はその一助となる装置として注目されています。
しかし、装置の使用には適切なタイミングや注意点も存在するため、正しい知識を持つことが求められます。
この記事では、急速拡大装置とは何かという基本から、そのメリット・デメリット、使用にあたっての注意点、さらには費用まで詳しく解説します。小児矯正を検討している保護者の方にとって、判断材料となる情報をお届けします。
小児矯正で使用される急速拡大装置とは?

急速拡大装置とは、上あごの幅を広げるために使用される矯正装置の一種です。主に成長期の子どもに使用され、永久歯を並べるスペースを確保したり、噛み合わせの不正を改善したりする目的で装着されます。
ネジを少しずつ回すことで、骨と骨の隙間を広げ、上あごの幅を拡大していきます。急速拡大装置は固定式で、上あごに装着されます。歯科医師の指示に従ってネジを調整しながら、2〜4週間程度で大きな変化を得ることができるのが特徴です。
子どもの成長を活かすため、主に6歳から10歳頃の使用が推奨されます。
急速拡大装置のメリット
急速拡大装置は、成長期の子どもの矯正治療で使用する装置のなかでも、効果的な治療手段のひとつです。歯を並べるスペースの確保や噛み合わせの調整だけでなく、子どもの発育や生活の質にも良い影響をもたらす可能性があります。
ここでは、急速拡大装置の代表的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
子どもの成長を活かして治療できる
急速拡大装置の最大のメリットは、子どもの成長を活かして治療できる点です。急速拡大装置では、あごの成長を利用して、上あごの幅を自然に広げることができます。
これにより、永久歯が正しく並ぶためのスペースを確保できるため、のちの矯正治療で歯を抜く必要がなくなるケースも少なくありません。特に、叢生(そうせい)の子どもにとっては、装置によって自然なスペースができることで、無理な処置を避けた矯正が可能となります。
呼吸の改善につながることもある
上あごの幅が狭いと鼻腔も狭くなりやすく、結果として口呼吸やいびきが慢性化することがあります。
しかし、急速拡大装置によって上あごの幅が広がると、鼻腔のスペースも広がり、鼻呼吸がしやすくなるケースがあります。これにより、睡眠の質が改善されるほか、日中の集中力や学習効率にも好影響が出ることが期待されます。
全身の健康にも好影響を与える
正しい噛み合わせが実現されると、咀嚼機能が向上し、消化吸収の効率も良くなります。また、噛み合わせが悪いままだと、顎関節や顔の左右バランスに影響することがありますが、早期に治療を開始することでこうしたリスクを軽減できます。
急速拡大装置のデメリット
急速拡大装置は、すべてのケースにおいて万能というわけではありません。治療にともなう不快感やリスク、生活面での制約も考慮する必要があります。保護者の方がデメリットについても理解しておくことで、治療への不安を減らし、より適切な判断ができるようになります。
ここでは、急速拡大装置での治療にともなう、主なデメリットをご紹介します。
違和感や痛みが出ることがある
急速拡大装置は、上あごの骨を広げるという性質上、装着して間もないころには違和感や軽い痛みを伴うことがあります。特にネジを回して拡大を進める際には、歯が引っ張られるような感覚や、歯茎に圧力を感じることが一般的です。
多くの場合、数日で慣れていきますが、個人差があり、子どもが不安を感じる要因にもなり得ます。
発音や食事に支障が出ることがある
装置が口腔内の上あごに固定されるため、特に装着初期には発音がしづらくなることがあります。サ行やタ行などの発音に影響が出やすく、学校生活や人との会話に一時的な不便を感じるかもしれません。
また、食べ物が装置に詰まりやすくなります。噛みにくさや違和感を覚えることもあるでしょう。これらは時間とともに慣れていくことが多いですが、装置の構造上、避けられない問題だといえます。
定期的な通院とネジ調整の手間がかかる
治療中は保護者の方が自宅で急速拡大装置のネジを回す必要があります。毎日決まった回数だけ回すことが求められるため、取り扱いに不安を感じる方もいるかもしれません。
また、進行状況の確認や調整のために定期的な通院が必要です。家庭や学校のスケジュールとの調整が必要となり、通院の負担を感じるご家庭もあります。
急速拡大装置を使用するときに注意すること

急速拡大装置は、子どもの成長を活かして歯列やあごの発育を整える優れた装置ですが、効果を最大限に引き出すためには日常生活での注意点も理解しておく必要があります。治療中のトラブルを避け、装置の働きを十分に発揮させるためには、装着後のケアや習慣づけが大切です。
ここでは、急速拡大装置の使用にあたって注意すべきポイントを解説します。
ネジの回転は指示通りに行う
急速拡大装置の効果を得るためには、指定された回数・タイミングでネジを回転させることが欠かせません。ネジを回すことで骨の幅が広がっていきますが、指示通りにネジを回さないと効果が得られにくくなります。
逆に、多すぎると痛みや歯のぐらつき、トラブルにつながる可能性があります。そのため、歯科医師の指示に従って丁寧に取り組むことが重要です。
口腔内を清潔に保つための工夫が必要
装置は口の中に固定されているため、食べ物が詰まりやすく、むし歯や歯周病になるリスクがあります。通常の歯みがきだけでは汚れを取りきれないこともあるため、歯科専用の小さなブラシやフロス、洗口液などを使った丁寧なケアが求められます。
特に、装置の周囲や奥歯の清掃を怠らないよう、子ども自身にも意識づけが必要です。
問題が続く場合はすぐに歯科医院で相談する
装着中に痛みや出血が続く場合や、装置が外れたり変形したりした場合には、自己判断せず速やかに歯科医院へ連絡することが大切です。無理に放置すると、歯列や骨の成長に悪影響を与える恐れがあります。
また、子どもが装置に強いストレスを感じている場合も、歯科医師との相談を通じて対処法を考えることが望ましいでしょう。
急速拡大装置を使用した治療の費用
小児矯正は、長期にわたる治療計画と費用の見通しが必要になる分野です。矯正治療全般に言えることですが、急速拡大装置も、健康保険が適用されない自由診療になります。そのため、一定の費用がかかることを理解しておきましょう。
急速拡大装置の費用は一般的に3万円から5万円程度が相場とされています。これに加えて、通院のたびに調整料がかかることが多いです。
ただし、歯科医院によって費用の設定は異なります。そのため、事前に詳細な説明を受けておくと安心です。
まとめ

急速拡大装置は、小児矯正で使用される装置のひとつで、多くの子どもたちの歯列や噛み合わせの改善に役立っています。
骨の柔軟性を利用して短期間で上あごの幅を広げることができるため、歯の生えるスペースの確保や噛み合わせの調整に大きな効果を発揮します。さらに、呼吸機能の改善や全身の健康にも良い影響をもたらす可能性がある点は見逃せません。
ただし、違和感や痛み、日常生活への影響、通院の負担などのデメリットも存在するため、メリットとあわせて総合的に判断することが重要です。
急速拡大装置とはどのような装置か正しく理解し、信頼できる歯科医師のもとで治療を受けることで、お子さまの健やかな成長と笑顔につながるサポートができるでしょう。
小児矯正を検討されている方は、茨城県取手市にある歯医者「One’s歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、気軽に通える歯医者を目指して虫歯・歯周病治療や小児歯科、ホワイトニング、入れ歯治療、インプラントなどを行っています。ホームページはこちら、WEB診療予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

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