災害時の口腔ケア
2011年に発生した巨大地震からまもなく12年・・。
災害時の口腔ケアの重要性について今回はお話ししようと思います。
災害は地震、津波、噴火、台風や豪雨による風水害などの自然災害だけでなく、 大規模な火災や原子力事故なども含まれ、いつどこで起こるかわかりません。
被害の大きさによっては避難所での生活を余儀なくされることになります。 災害発生時は、まず命にかかわる救命救急への対応が優先され、歯や入れ歯の 清掃は後回しになりがちです。 避難所や車の中などでの避難生活が長く続き、お口の中の衛生状態が悪くなると、 抵抗力が低い高齢者は『誤嚥性肺炎』 を起こすこともあり、からだ全体の健康に大きな 影響を及ぼします。 まず、歯みがきなどのお口の清掃を行うことが、誤嚥性肺炎の予防にも なり「命を守る」ことにもつながります。 また、避難所では支援物資のおやつや食品が身近に置かれるなど食生活が変化し、 子どものむし歯の多発や、歯周病の悪化に伴い糖尿病患者の症状が悪化するなどの 報告もあります。
災害時にこそ「口腔ケア」が必要です。
我々が普段何気なく行っている歯みがきですが、災害時には歯みがきなど口の中を清潔に保つ口腔ケア(オーラルケア)は非常に重要な行為となります。
災害時になぜ口腔ケアが重要になるのか、日頃の備えはどうすればよいのか、少ない水でどう歯磨きをするのかについて紹介します。
災害が発生し、避難所生活や水が貴重になる状況においては、歯みがきなど口腔ケアをためらうことが多く、口の中が不潔になりがちです。
口の中で細菌が繁殖し、それが気管から肺へ侵入することにより、「誤嚥(ごえん)性肺炎」を引き起こします。災害時は疲れ、ストレス、低栄養で免疫力が低下しやすい状態であり、特に高齢者の方では誤嚥性肺炎発症の危険性が高くなります。
高齢者の誤嚥性肺炎は死亡率が高く、特に災害時は医療体制の混乱から初期治療が遅れやすいため、誤嚥性肺炎により死亡する危険がさらに高くなります。そのため、災害時であっても口腔ケアによる肺炎予防が非常に重要です。
歯ブラシがない時の口腔ケアの方法
避難所などで歯ブラシがないということも想定されます。その場合、食後に30mL程度の水やお茶でしっかり口の中をゆすぎ、ハンカチなどを指に巻いて歯ブラシ代わりに歯をぬぐうと効果があります。
ハンカチの代わりにノンアルコールタイプのウェットティッシュを指に巻いて歯ブラシ代わりとするのもおすすめです(成分に注意し、注意書きをよく読みましょう)。
歯磨き用のウェットティッシュも販売されています。避難所へ行く可能性を考え、非常用持ち出し袋には、歯磨き用ウェットティッシュを入れておくことをおすすめします。
デンタルリンスや洗口液は災害時に非常に便利
デンタルリンスや洗口液を、歯みがき粉の代わりに液体歯みがきとして使うこともできます。
適量(約10mL)を口に含み、20秒ほどすすいで、口腔内に行き渡らせた後にブラッシングします。ブラッシング後は水ですすぐ必要はありません。味や香りが気になる場合は、少量の水ですすいでもかまいません。
液体歯みがきには殺菌成分が含まれているため、口腔内の菌を減らすのに非常に有効です。イソジンガーグルなどのうがい薬も、口腔内の菌を減らしてくれる作用があります。
普段からデンタルリンスや洗口液を使う習慣がある方は、常に1つ未開封の在庫を確保しておく「ローリングストック」で備蓄しておくことで、普段の生活の中で防災対策をすることができます。
普段から使わない方は、デンタルリンスや洗口液を使う習慣をつけてローリングストックで備蓄し、日常生活に防災を取り込んでみるのもおすすめです。
このように歯みがき・口腔ケアは、身だしなみとしてだけではなく、災害時においては命を守る行為と言えます。
普段から行っている行為だからこそ、少し防災を意識するだけで災害対策をすることが可能です。次に歯ブラシや歯みがき粉、デンタルリンスなどをお店に買いに行く時は、1つ多めに買ってみるといった行動から、災害時の口腔ケアを意識してみましょう。
災害時にお口のお手入れをする余裕はないかもしれませんが、ご高齢者にとっては非常時こそ口腔ケアが重要です。
災害時のために備えておきたい口腔ケア用品をご紹介します
・歯ブラシ、舌ブラシ
・歯間ブラシ、デンタルフロス
・ノンアルコールタイプの液体歯磨き(デンタルリンス)
・ノンアルコールタイプの洗口液(マウスウォッシュ)
・口腔ケア用ウェットティッシュ
・キシリトール入りのシュガーレスガム(唾液の分泌を促すことで、口の中を清潔に保ちやすくなります。)
・入れ歯(義歯)ケア用品
・マスク、手袋
・コップ など
防災バックがありましたら、歯ブラシだけでもいいので付け足して災害に備えてみてください。

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■この記事の監修者
高橋 克彦 理事長
経歴
- 1997年 昭和医科大学 歯学部 卒業
- 2003年 ブライト歯科クリニック 開院
- 2008年 アール歯科・矯正歯科 開院
- 2010年 医療法人社団 優勢会 理事長就任
- 2011年 ABC歯科クリニック 開院
- 2014年 One’s歯科クリニック 開院
修了研修・学会等
- 元 昭和大学歯科理工学教室特別研究生(宮崎教授)
- 日本歯科医師会会員
- 千葉県歯科医師会会員
- 千葉県歯科医学会認定歯科医
- 厚生労働省認可臨床研修指導医
- 臨床歯科麻酔管理指導医
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- インビザライン プラチナエリートプロバイダー
- 国際歯科美容外科認定医
- 国際空手道 極真会館 協力医
- ITIインプラント認定(ストローマン・ジャパン)
- アストラテックインプラント認定
- カムログ インプラント認定
- ノーベルバイオケアインプラント認定
- 米国州立インディアナ大学歯学部AFFILIATE FELLOW IN IMPLANTOLOGY(同窓会会員)
- 米国州立インディアナ大学歯学部歯周学インプラント科 FELLOW(研究員)
- 米国州立インディアナ大学医学部解剖学 顎顔面頭蓋部臨床解剖認定医
- 米国州立インディアナ大学医学部麻酔科 頭蓋部認定医
- 米国州立インディアナ大学歯学部矯正科 認定医
- IMPLANT RESARCH FELLOW(客員研究員)
- ALL ON 4 academy
- 日本アライナー矯正歯科研究会
- SHINING3D公式アンバサダー
050-1809-4686